「お彼岸? ああ、おはぎの日ね」
という返答を毎年するのが、うちの父です。正直、間違ってない。
春と秋、年に2回だけ正当化される“糖分摂取の日”とでも言いましょうか。
でも実は、お彼岸ってとっても日本らしい、やさしい行事なんです。
「彼岸」とは“向こう岸”のこと。つまり、迷いや苦しみから離れた「悟りの世界」のこと。
この時期に太陽が真東から昇って真西に沈むことから、西方極楽浄土に思いを馳せるようになったんですね。
…って、小難しい話を父にしたら、「うん、それでもやっぱりおはぎは欠かせん」って返ってきました。
まあ、いいんです。食べながら、ご先祖に「ありがとう」を思い出せれば。
それが“ちょうどいい供養”のかたちかもしれません。